最終幕
「Night the Knights





 平城12年 2月末
 にわかに神龍軍団が動き始めた。有珠山の噴火にはじまり、首相の暗殺。さらには三宅島の火山活動も活発になり始めた。さらに悪いことに、お台場周辺に多数の大穴が開いたと言う。

 賢人機関の緊急会議が招集された。
 先ほどまで定例会議が開かれていたので、メンバーはすぐに集まった。一基も、さつきを伴って出席していた。

「首相の件は、みな聞いたと思う。だが、今はそれよりも神龍軍団の動向だ。台場周辺に出来た大穴だが、これについて何かわかったかね、大神司令?」
「諜報部員を派遣しましたが、凄まじい邪気と臭気で中に入って調査をすることは不可能だそうです。」

 既に竜司をはじめとする諜報部員が向かったが、邪気と悪臭でとても近付くことは出来ないという。

「敵の大規模攻勢の前兆と見て間違いないだろうが……その場合、君はどういう手を打つかね?」
「すべては相手次第……といったところです。」
「例の……藤堂明日香には話をしたのかね?」
「いいえ。彼女に例の力を使わせることは、先人たちの想いを無にすることになります。」

 賢人機関は以前から明日香に『破邪の力』を発動させるよう要請してきた。しかし、一基は先人たちの想いを重視し、明日香に『破邪の力』ことすら話してはいなかった。

「ならば……万一、君たちが負けるようなことになれば、我々はJ-satを東京に落下させる。」

 J-sat、つまりJ-11衛星のこと。賢人機関は万一、華撃團が敗れた場合は衛星を落下させて東京もろとも敵を葬り去ろうというのだ。この策に、さつきが立ちあがって異議を唱えた。

「それでは東京は二度と復興できなくなります!」
「悪魔に蹂躙されるよりは、マシな決断だと思うが?」

 熱くなっているさつきだが、一基は冷静に振舞っている。

「座れ、副司令。」
「しかし!」
「いいから、座れ。……万が一にも、そんな事態にはならない。」

 一基は大鳥や明日香たちの力を信じている。一度負けたことで、さらに強くなった彼らが万に一つでも負けるはずはない。一基はそう信じていた。

「たいした余裕だな、大神司令。議会が華撃團の敗色濃厚と判断した後、12時間以内にJ-satは落下軌道に入る。いいね?」
「わかりました。」

 一基とさつきは退室した。その後も、一基たち抜きで会議は続く。

「気に食わんな、あの余裕にも似た表情は……」
「我々をバカにしおって。」

 先の会議から一基の態度にはみな腹を立てている。すると、議長がそれらを制止し、口を開く。

「手は打つ。少しでも負け色を見せれば華撃團は、我らの支配下に置かれる。」

 そう言って、議長はどこかへ電話をかけた。



 その頃、和馬は……

「J-satを呼び出せ。」
「は?」
「敵の動きを知りたい。衛星画像に切り替えてくれ。」
「はい。投影します。」

東京全域の地図が表示される。
台場周辺に降魔の存在を示す赤い点が集結している。

「やはり台場か……範囲を拡大してくれ。関東全域が入る程度に。」
「はい。」

 関東全域と山梨、静岡の一部が表示される。すると……

「……」
「どうしました?」
「富士……か。」

 富士山周辺にわずかだが降魔の反応が見られる。

「数はわかるか?」
「約30です。……あの、何か?」
「……まさか富士を噴火させる気じゃねぇだろうな?」

 富士山を噴火させれば、静岡、山梨をはじめ、横浜、横須賀はもちろん、首都圏にも被害が出る。大規模攻勢の前に噴火させて首都圏に被害を与え、混乱を招けば占領はスムーズに運ぶ。

「富士山をですか?……しかし、富士山は……」

 富士は死火山。あおいがそう言おうとしたが、和馬が先に……

「そう……確かに富士山は宝永年間の噴火を最後に、300年近く活動していない。だが……よく考えてみろ。数千年の歴史を持つ富士山にとっては300年とはホンの少しのことだ。それは短い眠りに過ぎないのではないか?」
「そう言えば、そうですね……」
「あるいは陽動か……緊急召集!」

 ウゥーッ!ウゥーッ!
 劇場に緊急警報が鳴り響いた。すぐに大鳥以下、全隊士が集結した。

「すぐに富士へ向かってくれ。」
「富士へ?……しかし、首都の守りは……」
「手は打ってある。万一の場合は先の巨大降魔島迎撃で活躍した『ドラゴンナイツ』と陸上戦闘部隊『タイガーナイツ』があたる。」
「『タイガーナイツ』?」

 東京華撃團陸上戦闘部隊『タイガーナイツ』は航空支援部隊『ドラゴンナイツ』と同様、一基、和馬らが全国の勇士を集めて結成された部隊である。『ドラゴンナイツ』のように量産型霊子甲冑に乗るのではなく、武器は剣や銃砲といった通常装備のみだ。しかし、『ドラゴンナイツ』同様、メンバーの全員が霊力の訓練を受けた者ばかりだ。

「ただし、万一の場合すぐに戻ってこられるよう、新型の輸送機『スカイ・ホエール』を投入する。」

 『スカイ・ホエール』は霊子甲冑10機を搭載可能な六発輸送機である。しかし、エンジンは可変ノズル式で垂直離着陸やホバリング(空中停止)が可能な機体である。またニードルショットなどの対降魔用の武装も搭載されている。なお、基本設計はゆり子が担当した。

「おまけに『スカイ・ホエール』はマッハ3で飛行できるんや。富士からなら、すぐ戻って来れるで。」

 ただちに、大鳥たちは霊子甲冑に乗り込み、花やしき支部で『スカイ・ホエール』に搭載され、出撃していった。
 その直後、一基とさつきが戻ってきた。

「そうか、富士山に……」
「ああ……陽動かも知れんが……仮に陽動だったとしても、ここは敢えて誘いに乗ろうと思う。」
「賭けに出たな?」
「連中と雌雄を決するのだ。賭けるぐらいの度胸が無ぇとな。」

 仮に富士山の噴火が陽動であったなら、花組を出撃させることで、神龍軍団は華撃團が陽動に引っ掛かったものと思うだろう。また、陽動でなかったとしても、富士噴火は是非とも防いでおきたいところだ。



 富士山上空に輸送機が到達した。
 降魔の集結地点を衛星がキャッチし、富士山の山頂を目掛けて霊子甲冑が降下した。

『全機着地を確認しました。』
「よし……さっそく、お出迎えみたいだ。」

 花組を包囲するように降魔が出現し、正面に飛龍が現れた。

「フフフ……まんまと我々の陽動に引っ掛かったようだな。」
「陽動?」
「そう、富士噴火はあくまでも囮。貴様らが東京を離れたのを見計らって、台場の人型降魔部隊が一気に首都を制圧するのだ!」
「ほう……」
「首領と翔龍が相手では、あの航空部隊も勝ち目はあるまい。」

 人型降魔の存在に、首領と翔龍の位置など、よくもまあと感心するほどこれからの作戦内容をしゃべってくれたが……

「ふっ。」
「?……何がおかしい?」
「おかしいさ、飛龍。これが笑わずに居られるか。こっちが陽動だってことは先刻承知の上だ!」
「何だと!?」
「首都圏には既に自衛隊が集結。華撃團が結成した対降魔用の陸上部隊も配備が完了している。航空部隊も出撃準備は完了。東京は万全の防衛態勢に入っている!」
「……ほぅ……ならば、この場で貴様らを始末する!!」

 降魔が一斉に飛び掛る。しかし同時に、大鳥たちも反撃を開始。富士山頂で激しい戦いが始まった。




 一方、富士噴火作戦が陽動であると知った賢人機関は……

「富士噴火は陽動か。奴らも大それた陽動作戦を仕掛けてきたな。」
「しかし、これでこちらもやり易くなった。」

 この非常時にあっても、彼らは一基や華撃團に一泡吹かせることを考える余裕があった。仮に、華撃團が敗れて首都を神龍軍団に乗っ取られても、衛星を落下させてしまえば、神龍軍団を一気に殲滅させることが出来る。

「陽動に引っ掛かった華撃團は敗北した。これより、華撃團の本部をあの男に掌握させる。」

 議長が再びどこかへ電話をかける。

「機は熟した。劇場を制圧しろ。」

 その命令を受けて、首都圏に集結した陸上自衛隊の一部隊が劇場に向かい始めた。
 しかし、この時劇場にいたのはあおい、渚、みずきの三人と大河新次郎だけであった。部隊はあっという間に地上部分を制圧。地下の作戦司令室に雪崩れ込んだ。
 だが、新次郎は動じない。

「何だ、君たちは?」

 銃口を向けられても顔色一つ変えない大河に、逆に自衛官の方が恐怖している。

「この非常時によくのんびりとしていられるな?」

 大河の前に進み出てきた男が居る。瀬川防衛庁長官である。賢人機関の要請を受けて自ら劇場制圧に出向いたのだ。

「瀬川長官、何事かな?」
「富士噴火作戦が陽動作戦であることがわかった。華撃團の敗北が明らかになった今、この施設は防衛庁の管轄下におかれる。」
「事態を最後まで見届けずに結論を出すのは愚の骨頂だぞ、長官?」
「強がりもそこまでにしておきたまえ。……司令と副司令たちはどうした?」
「彼らは今、戦いに出向いている。」

 一基と和馬は『タイガーナイツ』と共に台場へ向かっている。これまで一基も和馬も、若い大鳥たちを戦場に送り出しておきながら、自分たちは何もできないという悔しさを噛み締めていた。そんな想いはもう味わいたくないと、二人は自らも戦場に赴いたのだ。
また、さつきも『スカイ・ホエール』に乗り込み大鳥たちを支援している。

「すぐに呼び戻したまえ。もう君らに任せておくわけにはいかん。ここからは自衛隊の出番だ。」
「丁重にお断りする。」
「ふざけるな!そこの三人!君らでもいい、すぐに全部隊を呼び戻せ!」
「私たちも、丁重にお断りします。」
「あいにく、私達は司令たちの命令にしか従いません。」
「そう、いきなりやってきて偉そうな口を利くオジサンの命令なんか聞くもんですか。」
「いいだろう!では私が彼らに直接伝える!」

 大河とあおいたちは拘束され、1階の支配人室に幽閉された。そして瀬川は一基らに即刻帰還するよう命じたが・・・・・
 『冗談も休み休み言うことだ。戦いも始まってないのに負けたもへったくれもない!』
 ・・・・と、あっさり拒否された。



 この直後、神龍軍団が行動を起こした。
 東京湾から飛翔した降魔が攻撃を開始。これには『ドラゴンナイツ』が迎撃にあたる。また、台場に突如現れた大穴から、人型降魔が次々と出現した。さらに、その人型降魔部隊を指揮するのは龍皇の力で再生された紅龍・蒼龍・嵐龍である。
 人型降魔は通常の降魔と違い、ほぼ人間の形に近いものになっている。降魔はもともと人間の怨念が具現化したものなので、古来よりその形状は様々に変化してきた。抑圧された人々の怨念がさらに高まる一方、あくまでも人でありたいと願う思いと一緒になり、このような人型降魔が誕生したのだと考えられている。

「気味が悪いな、あんな形に変化されると。」

 人型降魔の軍勢と対峙する『タイガーナイツ』。そして一基、和馬。

「ざっと……4000といったところか。こっちは300人。ドラゴンナイツは他所で戦闘開始。自衛隊は来ない……少し厳しいな。」

 劣勢と見た『タイガーナイツ』の若者たちは緊張し、震えている者もいる。これを見た和馬は隣の若者に声をかけた。

「怖いか、松原?」
「……いいえ……」

 そう答えたが、明らかに緊張しているのがわかる。

「心配するな、勝敗は数ではない。知ってるか?薩摩の島津義弘という武将は朝鮮出兵の時は1万の兵で20万の敵を破り、関ヶ原の時は1500の兵で徳川軍のど真ん中を突き抜けて無事に薩摩へ帰ったそうだ。」
「……」
「わかるな、数は重要ではないということが。」
「は、はい!」

 やがて、降魔が動き始めた。
 人型降魔は刀や銃砲で武装しており、遠距離からは銃撃をしかけてくる。

「伏せろ!」

 思っていたよりも射撃の腕は下手なようで、まったく当たらない。

「……来るぞ……」

 降魔が刀を抜き放って突撃してくる。

「よし……退けっ!」

 一基の命令で戦わずして『タイガーナイツ』は退却。

「一合も戦わずして逃げるか!」
「兄上、このまま追撃して叩き潰しましょう。」

 これを受けて人型降魔の群れも追撃してくる。しばらく後退すると、そこに柵と塹壕がある陣地が設けてあった。ここで『タイガーナイツ』は柵の後に回る者と塹壕に身を潜める者の二手に別れた。一基と和馬は二人とも同じ塹壕に身を潜めた。

「かかった。」
「ああ。」

 降魔は500mほど離れた場所に再度展開。横に広がって突撃してくる。すると……

「弓兵、構え!!」

和馬の号令と共に柵の後に回った部隊が一斉に弓矢を構えた。その矢はただの矢ではなく、破魔矢である。霊力が込められている破魔矢は降魔に対しても極めて有効な武器である。

「放てぇっ!!」

 100発を越える矢が一斉に放たれ、降魔の群れに降り注ぐ。

「構え!……放てぇっ!!」

 次の矢も放たれた。思わぬ奇襲攻撃に降魔もうろたえているようだ。

「……思ったより効果があったな。」
「ああ……ところで、和馬。さっきの話だが。」
「何だ?」
「島津義弘が関ヶ原の戦で敵中突破した時、生き残ったのは何人だったんだ?」
「……8人。」

 それを聞くと、一基が「ふっ」と笑った。

「そんなトコだろうな。」
「世の中そんなに甘かねぇよ。」
「そうだな……さて……行くぞぉっ!!」

 一基と和馬が先頭を切って飛び出すと、それに続いて塹壕に身を潜めていた者たちも飛び出す。

「俺たちも行くぞぉっ!」

 そして弓兵も弓矢を捨て、刀を抜いて突撃を開始する。
 これを見て降魔も突撃開始。お台場のど真ん中で両軍が激しくぶつかりあった。



 富士の戦いは熾烈を極めたが、長くは続かなかった。
 大鳥たちが既に降魔を撃破し、飛龍にもダメージを与えて追い詰めていたのだ。

「フフフ……見事だ……これほどお前たちが出来るとは思わなかった……あの時……初めてお前たちと出会った時に……消しておくべきだった……だが……私に与えられた任務は……ほぼ達成された。」
「なにっ?」
「富士の噴火はかなわぬが……火山帯を刺激したことで……近い内に三宅島の雄山か大島の三原山……そのどちらかが噴火するだろう。」
「なんだと!?」
「結局は……わたしの……勝ち……だ。」

 そのまま、飛龍は息絶えた。
 その最期を見届けた大鳥は静かに目を閉じた。

「飛龍……お前は勇敢だった。俺たち6人を相手に、お前はたった1人で渡り合った。いつか……いつの日かお前が人間として生まれ変わることを祈るよ。」

 敬礼した後、大鳥は全機に命令を下す。

「全機に告ぐ、これよりスカイ・ホエールに移乗!東京のお台場へ向かい、『タイガーナイツ』および『ドラゴンナイツ』を支援する!」
『了解っ!』

 大鳥たちを収容した『スカイ・ホエール』はただちに東京へ向かって発進した。
 同じ頃、自衛隊が占拠した劇場にもぐりこむ一人の男がいた。男は支配人室に向かい、見張りの自衛官をあっという間に気絶させ、中に入った。部屋の中には大河とあおい達がいた。

「遅くなりました、大河さん。」
「……浅井君か。」

 潜り込んだのは諜報部隊の浅井竜司だった。
 竜司と共に大河たちは作戦指令室に向かう。見張りは竜司が難なく倒し、中に入った。

「何事だ!?」
「どうか、お静かに願います。」

 瀬川が気付いた時には既に竜司が拳銃を自分に向けていた。

「フン、これは査問委員会が楽しみだな。」

 しかし、大河はそんなことで動じたりはしない。

「我々はあなたの部下ではない。草薙くん、『スカイ・ホエール』につないでくれ。」
「はい……どうぞ。」
「こちら大河新次郎、『スカイ・ホエール』状況を報告せよ。」
『これはお懐かしい声ですね。こちら『スカイ・ホエール』。飛龍を撃破、富士噴火作戦は阻止しました。現在横須賀上空、高度1300。ご指示を願います。』
「いま、『ドラゴンナイツ』は翔龍率いる降魔部隊と空中戦を展開している。『タイガーナイツ』もお台場で人型降魔と交戦中だ。」

 翔龍が姿をあらわし、清志率いる『ドラゴンナイツ』と空中戦を展開。双方に大きな被害を出しているが、戦況は『ドラゴンナイツ』がやや優勢となりつつある。一方、『タイガーナイツ』も戦力は半分以下にまで減ったが、人型降魔部隊は既に300程度にまで減っていた。

『龍皇の位置は?』
「J-satからの映像では人型降魔部隊の後方に大きな光点が確認できる。おそらくこれが龍皇のものと思われる。」
『わかりました。これよりそちらとデータリンクし、その地点に向かいます。』
「頼むぞ……君たちの手で、明日を勝ち取ってくれ。」

 通信を終えると、大河はクルッと瀬川の方を向く。

「長官、自衛隊に出動命令を出していただきます。」
「なんだと?」
「自衛隊に、我々を支援してもらいます。もちろん、了承していただけますね?」

 竜司の銃口は常に瀬川の方を向いたままだ。
 さすがに、こんな状況では要求を呑まないワケにはいかない。

「わかった。全部隊に指示しよう。」

 瀬川の命令により、首都の要所に待機していた陸上自衛隊が動き始めた。そして百里基地の航空自衛隊もすべての可動機を発進させ、東京上空へ向かう。さらに東京湾内に進入した海上自衛隊の護衛艦隊も海底の聖魔城を攻撃すべく移動を開始した。



 お台場での戦闘は一時中断していた。
 『タイガーナイツ』の反撃が猛烈なため、人型降魔部隊が一時撤退し、態勢を整えているのだ。一方、『タイガーナイツ』側も隊士の半数を失い、戦闘可能な隊士は150人程度であった。
後方の陣地まで退いた一基は劇場の大河と連絡をとっていた。

「こっちは半数をやられました。敵は紅龍・蒼龍・嵐龍を伴って500の人型降魔を投入してきます。これ以上は防げません。」
『陸上自衛隊の歩兵師団と戦車部隊がそちらに向かった。間もなく到着すると思う。』
「陸自か……その部隊の指揮官につないでもらえますか?」

すぐにあおいが部隊を指揮している男に通信をつないだ。

「こちら『タイガーナイツ』を指揮している大神一基だ。陸自の指揮官、応答せよ。」
『こちら、増援部隊指揮官、浅井竜司です。』
「竜司!?お前か?」
『はい。歩兵200、戦車20輌を伴って進撃中。そちらと合流するまであと10分です。』
「そうか、竜司。悪いが今から俺の言う通りに部隊を配置してくれ。」

それから10分後、竜司は歩兵部隊150名を連れて一基たちと合流した。

「配置は?」
「司令の命令どおりに配置しました。」
「よし……いくぞ。」

 総勢300名の『タイガーナイツ』と陸自の混成部隊は再び前進を開始。人型降魔部隊と再び向かい合った。

「フン、自衛隊をくわえたか。それでもざっと300人程度……数でこちらに負けている。」
「それに自衛隊以外はほとんどが手負い。戦力にはならぬ。」
「一気に蹴散らして我々も東京攻撃に加わらねば。……突撃だっ!!」

 そして再び、人型降魔部隊が突撃を開始した。

「……来るぞ……狙えっ!!」

 一基の号令とともに全員が銃を構えて狙いを定める。

「………まだまだ………」

 徐々に降魔が近付いてくる。そして頃合を見計らって……

「撃てぇっ!!」

 ドドドドドドドドドド・・・・・・・!!
 一斉射撃で攻撃した後、一基たちも突撃を開始。両軍が再び激突した。自衛官の武装は通常装備ではなく、銃弾は霊力を帯びた弾丸か、ニードルショットのような先端が鋭く尖った銃弾を使用している。
しかし降魔に有効な武器を装備しているとはいえ、降魔と戦うことに慣れていない自衛隊はあまり戦力にはならなかった。

「和馬!」
「おうっ!退けぇっ!」

 和馬の命令で全員が一斉に後退する。だが、さきほどと違い、降魔と一定の距離を置いたところで立ち止まる。

「竜司、今だ!!」

 一基が叫んだ。すると竜司が信号弾を打ち上げた。
 その直後、戦車隊と残りの歩兵隊が両翼から現れ、あっという間に包囲した。

「うぬぅ……はめられたか。」

 さらに、増援要請を受けた航空自衛隊のF-1支援戦闘機の編隊やAH-1攻撃ヘリコプター部隊も上空に駆け付けた。

「一斉攻撃だ!!」

 今度は和馬が信号弾を上げた。これが攻撃開始の合図である。

『信号弾を確認。クーガー1、攻撃する。』
『こちらブレイズ、投弾を開始する。』

 タイガーナイツを含めた全部隊が人型降魔に対し集中砲火を浴びせた。四方のみならず上空からも攻撃されてはさすがの降魔も耐え切れず、次々と消滅していく。
 そして残ったのは紅龍と嵐龍だけになった。

「おのれ……またしても蒼龍を……」

 妹の蒼龍を再び失い、紅龍は怒りに震えている。二人の前に立つのは一基と和馬。

「ほぉ……破壊と殺戮しか知らぬ降魔に……そんな情があるのか?」

 和馬のその言葉を聞き、紅龍はますます怒る。それに対して嵐龍は落ち着いている。

「もはや勝敗は決した。私の栄光ある功績も称号も、2度の失敗ですべて失った。私は死ぬ、だが一人ではない。貴様らを道連れにし、この嵐龍の名を永遠のものとするのだ!」
「フン……そんなしみったれた根性ではこの俺は倒せんよ。それにな、悪の化身と心中するわけにはいかん!」

 一基と和馬が刀を構える。そして紅龍、嵐龍も槍を構えてにらみ合う。

「いざっ!!」

 シャキイイィィィィィィィンッ!!
 互いに突進し斬り結んだ。そしてしばしの静寂のあと、紅龍と嵐龍が倒れた。

「終わった……か。」
「少なくとも、俺たちの戦いは……な。」

 すると一基たちの上空を花組を乗せた『スカイホエール』が高速で通過していった。

「あいつらの戦いは、今からが正念場だ。」
「……行くか?」
「そうだな。あいつらの勝利を信じて、帰ってくるのを待とう。」

 人型降魔は全滅し、一基たち陸上部隊『タイガーナイツ』の戦いは終わった。そして清志たち『ドラゴンナイツ』の戦いも翔龍機の撃墜によって終わった。
 だが、大鳥たちの最後の戦いは今まさに始まろうとしていた。
J -11の画像が示した巨大な光点がある地点に到達するとそこには龍皇機がたった1機で待ち構えていた。

「龍皇……」

 まるで早く降りて来いと言わんばかりにこちらを見上げている。

「この期に及んで、罠を仕掛けるようなことはないだろうが……」
「大鳥さん、ご命令を。」

 明日香たちは最後の戦いを迎えるにあたり、少しの不安も抱いてはいないようだ。

「……よし、全員霊子甲冑に搭乗!降下して龍皇を撃破する!!」

 双武と新武4機が龍皇の前に降り立った。
 目の前の龍皇機は不気味なほど静かに立っている。

「龍皇、頼みの降魔軍団も、五人の幹部もすべて倒した!大人しく観念しろ!」
「フン……そんなことは問題ではない。」
「なにっ?」
「この世界に人間どもがいる限り、降魔はいくらでも誕生する。コマの代えなど、どうにでもなる。」

 やがて、龍皇が構える。
 龍皇の強さは第三台場、有珠山の戦いでよくわかっている。だが、それで臆する大鳥たちではない。

『隊長、これが最後の戦いです。必ず勝ちましょう!』
『せや。ウチも力の限り戦うで!』
『ボクの武術は、いま、この時のためにある!』
『That movement seems to be thunder.(その動くこと雷の如く)……ただで済むと思わないことね!』

 そして後席に乗っている明日香も……

『大鳥さん、龍皇を倒し、そしてみんな一緒に、劇場に戻りましょう。』
「ああ……必ずな。」

 誰も戦うことに迷いはないようだ。

「この私の力を忘れたか?……そんな付け焼き刃の改造が役に立つものか。雷波!!」

 ドオオオオオオォォォォォンッ!!
 前回同様、雷撃で新武の動きを止めようとしたが……

「……それで終わりか?」
「なに?……そうか……電磁シールドか……フフフ……ならば、君たちの動きを止めようなどという悠長な考えはやめだ!」

 戦いは始まった。
 龍皇は間合いの外では妖力波攻撃を仕掛けてくる。しかし間合いに入っても素早い動きでこちらの攻撃をかわし、すぐに反撃する。なかなか一撃を与えることが出来ない。

「これで決めてやるから!バーニングプラズマ!」
「ムダだ!」

 キャサリンの必殺技も龍皇には通用しない。
 だが、それに続いてゆり子がシュートブラスターを放つ。これもやはりかわされてしまう。しかし、これらの攻撃は始めから龍皇に一撃を与えるべく放たれたわけではない。

「今よ、フェニックス!スネグーラティカー!」
「うんっ!流星鎚!!」

 弥生の技が龍皇機の足を凍結させ、メイリンの流星鎚と合せて龍皇の動きを封じた。

「今です!隊長!!」

 この期を逃さず、双武が突っ込んでくる。

「龍皇、覚悟ぉっ!!」
「笑止っ!!」

 カッ!ドオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォンッ!!
 まばゆい閃光を発したと思ったその直後、凄まじい爆風が大鳥たちを襲った。

「あの程度の攻撃で私の動きを封じたつもりとは……笑わせる。」

 爆風を受けて弥生、ゆり子、メイリン、キャサリンの機体は少なからずダメージを受けた。そして双武も……

「隊長……大丈夫ですか?……隊長!?」
『……』

 大鳥からも、明日香からも返事がない。
 爆風をまともに食らった双武はその衝撃で二度、三度とひっくり返り、ビルの壁に激突していた。そして大鳥も明日香も、コックピットの中で気を失っていた。




 そのとき、明日香は夢を見ていた。
 夢の中の場所は劇場だった。だが、そこには誰も居ない。どの部屋を覗いても誰もいなかった。

 そして最後にテラスに行って見ると、三人の女性がいた。

「あなたたちは?」

 一人は真っ赤な修道服を着て、優しい笑顔と長い茶髪が特徴の娘。
 一人はカウガールの服装で日本刀を背負い、燃えるような真っ赤な髪の毛が目立つ娘。
 そしてもう一人は、桜色の着物に赤い袴、青い帯。腰には日本刀。やや幼さを残した顔立ちに青みを帯びたきれいな髪の娘。

「あの……どなた?」
『あたしはあなた自身。』
「え?」
『私達とあなたは同じ境遇にある者です。』
『だからボクたちはいつも君と一緒にいた。』
「どういう意味です?」

 すると、着物の女性は腰に帯びていた剣をとり、明日香に差し出した。その剣は霊剣荒鷹だった。

『大好きな人を守りたいのなら、荒鷹を……剣を執るのです。』
『あきらめちゃダメだ!あきらめたら、何も守れないんだよ!』
『神様はあなたを守って下さいます。さあ、起ち上がってください。』

 剣を手に執ると、荒鷹は優しい桜色の光を放ち、やがてそれは明日香の体を包んだ。

『あたしたちはいつでも……あなたと共に……』

 着物の女性がそう言うと、夢は終わった。
 明日香は目を覚ました。そこは劇場のテラスではなく、双武のコックピットの中だった。

「今のって……」

 なぜかその手には荒鷹が握られていた。

「………そっか……私、気絶して……大鳥さん?」

 大鳥も気絶していて返事がない。
 彼もまた夢を見ていた。しかし、場所は劇場ではなく、長崎の深江町。今は無き、我が家の前に立っていた。

(ここは……俺の家……)

 そしてその玄関先には大鳥の両親と当時小学生だった妹が立っている。

(父さん……母さん……明美……)

 明美は笑顔で大鳥の手を引き、家の中に行こうとする。

(俺に……来いって言ってるのか?)

 両親も笑顔で手を振っている。そして一歩、また一歩と、大鳥は家に近付いていく。そのときだった。

『大鳥さん!……大鳥さぁぁんっ!!』

 明日香の声が聞こえてきた。すると、大鳥は足を止めた。
 こちらを見上げる明美に、大鳥は静かに言った。

「ゴメンな、明美……俺はまだ……家には帰れないよ……」

 そして手を放し泣きながら駆け出していく。しかし明美も両親も、優しい笑顔でそれを見送っていた。

「ハッ……」

 大鳥も目を覚ました。目からは涙が溢れている。

『大鳥さん!しっかりして下さい!大鳥さん!』
「明日香君……」

 涙をぬぐい、マイクのスイッチを入れる。

「すまない、明日香くん。俺は大丈夫だ。」
『よかった……それより、大鳥さん、大変です!みんなが!』
「何っ!?」

 大鳥たちが気絶している間、龍皇に攻撃を仕掛けた弥生たちだがことごとく返り討ちにあっていた。

「すまない、みんな。……明日香くん、メガ・バスターの用意を!」
『はいっ!』

 機体を起こし、バレルを展開し発射用意にかかる。
 エネルギーの充填も完了し、発射準備は整った。

『発射準備完了です!』
「よし、メガ・バスター、発射!!」

 ドオオオオオオオオオオオォォォォォォォッ!!
 凄まじいエネルギーが放出され龍皇に向かっていく。だが・・・・・

「フン、それについてはもう見切っている!円波!!」

 ゴオオオオオオオオォォォォォッ!!
 龍皇機の周りで妖力の渦ができ、メガ・バスターの光線を反らしてしまった。

「なにっ!?」
「フフフ……同じ手が通用すると思ったのかね?」
「く……もう打つ手は……」

 打つ手がなくなり、諦めかけた大鳥だったが……

『あります!大鳥さん!!』

 明日香が叫び、おもむろにハッチを開けて外に飛び出した。

「明日香くん!?」
「大鳥さん……忘れたんですか?私たちの切り札を。」
「!?」

 明日香の両手には二振りの剣。霊剣荒鷹と神剣白羽鳥だ。

「……そうか!」

 大鳥もハッチを開けて外に出る。その手には神刀滅却と光刀無形が握られている。

「むっ!?その剣は!!」

 二剣二刀の存在をただの伝説と思い込んでいた龍皇は焦った。伝説が本当なら、二剣二刀は史上最強の霊剣、霊刀ということになる。

「おのれっ!ならば私も奥の手だ!」

 龍皇もまた機体を降り、そして上空に手をかざす。

「全ての力を今こそここに!!」

 地下に眠る降魔、海底の聖魔城の妖気が光線となって龍皇に降り注いだ。そしてそれがそのまま龍皇の力となる。

「さぁ、受けるがいい!抑圧されし者どもの怨念の力を!!」

 だが大鳥と明日香は少しもうろたえることなく霊力を集中させている。

「龍飛鳳翼……」
「破邪剣征……」
『真形霊鳥・無形光神!!』

 やがて二剣二刀が光を放った。そしてそれらを重ね合わせると光の弾が出来た。

「そんなものが通用するかぁぁっ!!」
「行っけぇぇぇぇっ!!」

 ドドオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォッ!!
 二つの力が両者の中央で激突。しかしそれは両者の中央の地点でくすぶり、均衡している。

「バカな!これほどの力が!!」
「……少しでも気を抜けば……負ける!」

 両者ともに気が抜けず、そのまましばらく均衡した。だが……

「フフフ……言ったはずだ。人間がいる限り、降魔は誕生し続けると。ハァァァァッ!!」

 すると龍皇に再び光線が降り注ぐ。そして徐々に光弾が押し戻されてきた。

「なっ!?」
「こ、このままじゃ……やられる!!」

 もうダメかと思われたそのとき、光弾の動きが止まった。

「なにっ!?」

 そして、今度は龍皇の方に押し返していく。

「バカな!そんなはずは……む?……あれは!?」

 大鳥と明日香の後ろに人影が見える。
 それは弥生、ゆり子、メイリン、キャサリンの4人であった。

「みんな!?」
「隊長、加勢します!!」
「あいつに、ウチらの力を見したる!!」
「ボクたちの力で未来を掴むんだ!!」
「アンタと明日香にばっかり、いいカッコさせらんないのよ!!」

 4人の霊力が加わり、光弾は徐々に龍皇に向かっていく。

「バカ者どもめ!私を倒したところで、人間のいる限り、私の意志を継ぐ者が必ずあらわれる!」
「たとえ、そうであっても!俺たちは戦う!」
「愚かな!終わりの無い戦いに、なぜ挑み続ける!」

 その問いに、明日香たちが答える。

「俺の仲間を守るために!!」
「人々の幸せを守るために!!」
「次の時代を生きる人のために!!」
「ボクたちの家を守るために!!」
「私たちが育ったこの世界のために!!」
「私の愛する人を守るために!!」

 全員の霊力が最高点に達した。

「破邪剣征・桜花爛漫!!」
「スネグーラティカー!!」
「シュートブラスター!!」
「爆烈棍!!」
「バーニングプラズマ!!」

 全員の必殺技が炸裂、そして……

「狼虎滅却・快刀乱麻ぁぁっ!!」

 二刀流用の大鳥の必殺技が放たれ、さらに膨れ上がった光弾が龍皇を飲み込んだ。

「ウオオオオオオオオオオォォォォォォォォッ!!」

 ドオオオオオオオオオオオオオオォォォォォッ!!
 龍皇の断末魔の後、凄まじい爆発が起こった。
 その爆発の影響で東京全域にちょっとした地震が発生した。劇場に戻った一基たちにもその揺れを感じ取ることが出来た。

「な、何だ!?地震か!?」

 慌てている瀬川だが、一基や和馬たちは落ち着いている。それが何なのかわかっているのだ。

「帰ってくる……大鳥たちが、帰ってくる。」

 そしてJ-satが捉えていた龍皇の光点が消えた。

「光点消滅……龍皇の撃破を確認しました!」

 みずきの声と共に歓声があがった。
 あおいたちが手を取り合って喜んでいる。

「やってくれたか……あいつら。」
「ああ……?……大河さんは?」
「……?」

 いつの間にか、大河の姿が見えない。
 一人作戦指令室を出た大河は2階のテラスにいた。古い写真を見つめ、泣きながら呟くように言う。

「ジェミニ……一郎叔父……さくら叔母さん……エリカさん……やってくれましたよ、あの子達が……」

そこに写っているのは紐育華撃團のジェミニ=サンライズ、帝國華撃團の大神一郎と真宮寺さくら、そして巴里華撃團のエリカ=フォンティーヌだった。
しばらくすると、背後から声が聞こえてきた。

『新次郎……元気そうだね……』
「……ジェミニ?……」

 振り向くとそこにはジェミニ=サンライズがいた。だが、彼女はこの世のものではないことは既にわかっている。いわゆるお化けだが、大河は動じない。それどころか……

「……ふふっ……」
『どうかした?』
「ずるいよ……君だけ若いままで……」
『へへ……新次郎は老けたね?』
「もういくつだと思ってるのさ?でも……ありがとう。明日香を励ましてくれたんだね?」
『……へぇ、やっぱり知ってたんだ。ボクとエリカとさくらがあの子に取り憑いていたのを。』
「明日香は、君と似ているからね。……俺も……君たちの所へ行きたいよ。」

大河はそんなことを言うと、ジェミニはニコッと笑う。

『ダァ〜メッ!新次郎にはまだまだやることがたぁっくさんあるんだから!もっともっと長生きしてもらわなくちゃ!』
「も、もっともっと?」
『そ!……あの子たちも新次郎を頼りにしてるんだよ。』

 そう言って明日香は空を見上げる。
 戦いを終えた花組を乗せたスカイホエールが飛んでいくのが見える。

「………そうだね………それじゃあ、ジェミニ。あと20年ぐらい待ってくれるかい?」
『に、20年!?新次郎、そんなに長生きするつもり!?』
「ハハハ・・・・・あの子達はそれぐらい生きて欲しいと思っているかもしれないよ?」

 そして新次郎も空を見上げる。
 それまでの激しい戦いの終焉を告げるかのように、東京の空は夕焼けで赤く染まっている。スカイホエールもその巨体を赤く染 めながら花やしき支部へ向かって飛んでいく。

 平城12年 春。
 東京華撃團の、一つの戦いがこの日終わった・・・・

終章へ…

 

キャラクター紹介

大河新次郎(Shinjiro Taiga) C,V:佐原健二(老年期)・菅沼久義(青年期)
身長:170cm  体重:70kg  生年月日:1908年8月20日  年齢:91歳  出身:栃木  血液型:A
特技:二天一流剣術  階級:新ニューヨーク華撃團総司令
大神一郎の姉、大河双葉の息子。若くして渡米し、紐育華撃團隊士になる。変形式霊子甲冑スターを操るエキスパートだった。太平洋戦争では日本に脱出し、腕を買われて海軍航空隊に配属された。終戦後にふたたびアメリカに渡り、紐育華撃團の解散後は有事に備えて戦士の育成に従事していた。東京華撃團を支援する一方、新ニューヨーク華撃團の結成に従事。CIAなどの機関に顔が利く。既に90歳を越える老体だが、それを感じさせないほどにピンピンしている。

浅井 竜司(Ryuji Asai) C,V:飛田展男
身長:182cm  体重:80kg  生年月日:1974年12月14日  年齢:25歳  出身:滋賀  血液型:AB
特技:射撃  階級:諜報部副隊長
陸上自衛隊の一尉。和馬にスカウトされて東京華撃團諜報部隊の副長として就任するはずだった。しかし赴任する途中に神龍軍団に拉致され、監禁されていた。その後、清志に救出され無事にもとの鞘に納まった。隊士の中では数少ない既婚者である。

其の弐へつづく……

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