あずまんがサクラ2   作・米田鷹雄

1.おちました

「じゃあ、続きは明日の練習だな」

 花組一同の前から立ち去ろうとする米田。
 と、彼のポケットから一枚の写真がおちた。

「米田支配人、なんかおちましたよ〜」

 織姫がそれを拾いあげる。
 そして、ふと目をやると

「おー、女の人の写真ですねー。きれーな人でーす、誰ですかぁ?」
「俺の妻だ」
「うそっ!!」


2.どういう?

「えっ!? だって!? え!」

 動揺する織姫は米田の顔をマジマジと見る。

「こんな美人の……? え?」

 再び写真に視線をおとし、固まること数分。

「え? ギャグですかぁ?」
「何をいっとるんだ、おめーは」


3.米田家の人々

「これが一緒の写真だ」

 米田は別の写真を取り出した。
 そこには米田とさっきの美人が寄り添うように映り、真中には女の子がいる。

「あの……この子供は……」
「あぁ。俺の娘だ」
「利発そうなお子さんでーす!!」


4.理解超越

 あまりの出来事に織姫は米田が立ち去ってもなお、呆然としている。
 文字通り、目が点になっていたのだ。

「やっぱりどう考えても米田支配人の奥さんは変でーす」
「確かにそうですわ」

 すみれも真剣にうなずく。
 と、今まで状況を傍観していた紅蘭がぽつりと呟いた。

「警察に知らせといた方がえんちゃうか」
「そっ、そうで〜すっ!!」


5.弁護人アイリス

「確かに米田のおじちゃん変だけど、そんなみんなひどいよ。犯罪者みたいに」

 アイリスがフォローに入る。
 だが、紅蘭と織姫は容赦がない。

「犯罪者みたいやん」
「そうでーす。きっとなんかしてるんでーす。そうでなければ、あんな人が支配人を選ぶわけがありませーん!」

 それでもめげずにアイリスは弁護しようとする。

「えーと、それは趣味があったり……」

 間髪いれず二人がこたえる。

「ヤナ趣味の奥さんやな」
「そうでーす」

 アイリスの努力は徒労に終わったのである。


6.奥さんの秘密

「あ、でもそうでーす。その奥さん、すごーく、性格が悪いのかもしれませんねー」
「いや、それが織姫!」
「わっ。びっくりさせないでくださーい!」

 突然、副司令・藤枝あやめが会話に割り込んできた。

「米田支配人を許せる程の優しさをもった奥さんらしいのよ」
「そ、それって、天使ってことっ!?」

 花組一同は異口同音に叫んだのだった。

〜Das Ende〜





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