あずまんがサクラ   作・米田鷹雄

1.こども花組隊員

 それは、大神がくる以前のこと。
 サロンでくつろぐ当時の花組隊員の前に、副司令・藤枝あやめと金髪でエプロンドレスの少女があらわれた。

「はい。新入隊員を紹介します。イリス・シャトーブリアンちゃんです」
「アイリスでーす。よろしくお願いします」
「アイリスちゃんは9才だけど、とーーーっても優秀なので、花組隊員になりました」

 一度から、歓声も感嘆ともつかぬ声があがる。

「ガキのくせに霊力あるからっていじめないで下さいね」

 さらりと普通に言うあやめに、隊員一同は頭の後ろに汗マークをつけながら思っていた。

(ガキのくせにって……)
(あやめさんにいじめられなきゃいいけど……)


2.こわいよぅ

 シャノワール内、戦闘終了後。
 大神は、巴里花組一同を自分の前に整列させていた。

「今日の戦いはなんだ! チームワークがなってない!」

 そういって一人ずつ頭に拳をくらわせていく。
 最後はコクリコだったが……

「あ、あの、ボク、一生懸命やろうとしてたんだけど……」

 半ば涙ぐみながら、おびえるように大神を見上げるコクリコ。

 コツン

 今までの「バコッ」とか「バキッ」とかとあからさまに違う軽い音。
 残りの隊員一同はジト目で思った。

(ロリコンだ……)


3.楽しい職業

 それは、さくらの何気ない一言からはじまった。

「米田司令はどうして帝國華撃團の総司令官になったんですか?」
「うむ! 少女とか好きだから!!」

 沈黙が司令室を支配した……


4.勇者

「ね、ねぇ、さくらさん。さっきの米田司令……なに……」
「すみれさん。そんなこと私に言われても……」
「ああハッキリいわれてもな。変態か?」

 そのカンナの言葉に、大神と加山を筆頭とする男性隊員たちが一斉に立ち上がった。

「ちがーーう!」
「我々、帝撃男性隊員一同は感動した!」

 涙を流しながら力説する加山に大神も追随する。

「あんなに本音で部下にぶつかってくるなんて。あんな上官みたことないっ!!」

 呆れる花組一同。

「そりゃ、いねーよ……」


5.爆走100m

「走りでカンナに挑戦!!」

 何か知らないが、盛り上がっているコクリコ。

「カンナさん、運動できるよー」

 突っ込むエリカを無視して、コクリコはカンナに勝負を挑む。

「百メートル走で勝負よ! カンナ!!」
「……はっ?」

 そして、いつのまにやら、スタートラインにたつ二人。

「よーし!!」
(なんで……?)

 すでに他の隊員は外野で勝手に応援でもりあがっている。

「カンナぁ! がんばってねぇ。ジャンポールも応援してるよー!」
「コクリコさん! 頑張ってください……ぽ」

 そして、いよいよスタートするというその直前。

「あ、カンナはボクより18cm胸でかいから18cm下がってよね」
「はあっ?」

 そして、外野も律儀に反応していた。

「なによそれ。ずるいよ、コクリコーっ!」
「18cmですか……ぽ」

〜Das Ende〜





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